司法書士試験合格後の流れやスケジュールについて詳しく解説!
憧れの司法書士に合格できたもの、合格後はどうやって働くのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は司法書士試験後の流れに注目します。合格後には一体どんな流れやスケジュールが展開されるのでしょうか。就活などのスケジュールについてもあわせて解説しますのでご一読ください。
司法書士試験を受けるまでの流れ
弁護士や税理士等、難関とされる士業系資格の1つである「司法書士」ですが、まずは合格を目指すところから始める必要があります。司法書士を目指す方法は2つあり、裁判所書記官などのキャリアから目指すことも可能ですが、ここでは最短ルートである司法書士試験に絞って解説します。
司法書士試験は年に1回開催
司法書士試験は国家資格の1つであり、試験は年に1回開催されています。法律家として知られる司法書士ですが、取り扱う法律分野が主に「商業登記法」と「不動産登記法」であるため、この2つが試験を突破するカギを握ります。
試験のしくみは筆記試験と口述試験の2本立てとなっており、筆記試験に合格後に口述試験を受けます。弁護士試験よりも挑戦しやすい試験であり、国籍や年齢はもちろんのこと、学歴も必要ありません。どなたであっても司法書士を目指せることも司法書士の魅力です。筆記試験は例年7月、口述試験は例年10月に行われます。
司法書士試験合格後に受けるべき「新人研修」とは?
無事に司法書士試験の筆記および口述の試験を突破出来たら、合格を意味します。司法書士試験合格後には「新人研修」という研修が開催されています。
この研修は4つの内容で開催されており、対象者は司法書士試験に合格してから1年以内に司法書士登録を行った方です。司法書士登録とは資格を取得したら「司法書士名簿」に名前を登録することを意味します。新人研修の中身は次のとおりです。
中央新人研修
中央新人研修は近年、eラーニングで実施されています。これは、自宅などから簡単に受講できる研修で、令和4年度の予定を参考にすると、12月から3つのグループに分けて順次開催されます。合計17日間の研修期間で、4万4000円の受講料を支払います。グループ分けの理由はアクセスの集中を避けるためです。
ブロック新人研修
全国8つのブロックに分けて、次に開催されるのが「ブロック研修」です。この研修は基本的に、開業する予定の地を管轄しているブロックで受講します。混雑が予想されるブロックもあるので注意しましょう。ブロック新人研修にも、中央研修と同様に受講費が発生します。受講料は3万3000円です。
司法書士新人研修
司法書士新人研修は別名集合研修や、配属研修とも呼ばれています。各司法書士会によって開催要項は異なっており、集合研修と配属研修のいずれかしか開催されない地域もあります。一般的には各司法書士会に所属をしている実際の司法書士事務所に配属され、実務に触れます。集合研修は実務で必要となるものをトーク形式で学んだり、裁判所に足を運んだりする場合もあります。配属研修は実際の事務所内に入るチャンスでもあります。しかし、就職が内定している方は受けないケースもあります。
特別研修
研修には、認定司法書士を目指すための特別研修もあります。簡易裁判所で訴訟を取り扱いたい場合には、特別研修を受講し、簡裁訴訟代理等能力認定考査に通過しなければなりません。過払い訴訟など取り扱える業務が広がるため、任意研修ではありますが多くの司法書士が受講しています。
司法書士試験合格後に新人研修は必須?
司法書士試験に合格の後に開催されている新人研修は、費用も発生することもあり、正直負担感があります。では、新人研修を受けないと一体どうなるのでしょうか。
結論から言うと、司法書士として働くことができません。司法書士の研修制度に関しては法律によって定められているからです。合格後に司法書士としてすぐに活躍したいと考えている場合には、研修を受講しましょう。
なお、別の資格試験の取得を目指すなどの理由ですぐに司法書士登録を行わない場合には、1年以内に研修を受けなくても問題はありません。新人研修は必須ではありますが、期限内に終わらなければ試験合格が取り消されるものではありません。
司法書士試験合格後のベストな就活スケジュール
難関試験を突破し、夢の司法書士としての第一歩を踏み出す場合には、就職を目指す人も多いでしょう。では、司法書士試験の合格後に終活を実施する場合にはどんなスケジュールで行うものでしょうか。
筆記試験の合格後は就活を開始できる
口述試験は受かっていなくても筆記試験の合格後には、合格見込みとして就職活動を開始できます。口述試験の合格発表が出る10~11月頃は募集が多くなるので、就活のベストタイミングです。特に大手や人気の事務所は応募が殺到しやすく締め切りも早いため、狙っている場合には筆記試験に合格したら、なるべく早く動き始めましょう。
口述試験後も募集は多く、試験へのプレッシャーから解放されてから就活をすることもおすすめです。事務所の規模、働き方などは各司法書士事務所によって大きな開きがあるので、じっくりと色んな事務所を比較し、どこが自分に合っているのか検討してみましょう。
まとめ
今回の記事では、司法書士試験合格後に待ち受ける流れや研修、就活のスケジュールについて詳しく解説しました。難関資格の取得は厳しく険しい道ですが、合格後は明るい未来が拓けています。しっかりと研修制度を通過し、司法書士としての第一歩を踏み出しましょう。なお、就職については将来的に独立をしたいのか、大手法人で研鑽を重ねるのか、目指すべき方向によって事務所選びの視点も異なります。将来の自分を楽しく想像しながらじっくり検討しましょう。