独学で司法書士試験合格を目指すメリット・デメリットとは?
司法書士は、司法書士法に基づき、登記手続き、裁判所提出書類作成、法務局への書類作成などの業務を行います。ただし、司法書士になるためには、司法書士試験に合格しなければいけません。合格率は3~5%程度、年齢や性別、学歴に関係なく受験できる国家試験です。今回は、独学で司法書士を目指す際のメリットとデメリットをご紹介します。
独学で司法書士試験合格を目指すメリット
司法書士を目指す方の中には、独学でこつこつ勉強を進める方もいます。そこで、独学のメリットを詳しく解説しましょう。
安く勉強できる
安く勉強できる点は、独学で学ぶ最大のメリットです。市販テキストを含め、さまざまな勉強グッズを揃えても、1~2万円程度で済みます。万が一、司法書士試験を諦める際もあまり気になる金額ではありません。一方、予備校の場合は、学校とオンラインの併用で数十万円といったところまで存在するため、それなりの覚悟が必要です。
いつでも勉強できる
独学は、決まった時間に授業がないため、いつでも勉強できます。たとえば、働いている方の場合は、集中的に勉強できる環境作りは難しいはずです。しかし、独学で在れば時間と体力に余裕がある日を見つけながら勉強できるでしょう。また、試験日までの期間に余裕がある場合も独学は最適です。2年後に試験を受けたいということであれば、焦って勉強する必要もありません。
勉強方法が選べる
独学の場合は、勉強方法を選べます。いくつかのテキストの中から自由に選び、どのような進め方をするのかも自分で決められます。一方、予備校は簡単にほかの予備校に変えることはできません。すでに授業料を支払っているはずですし、新しい予備校を探すのも非常に手間のかかる作業です。
独学で司法書士試験合格を目指すデメリット
独学で司法書士試験合格を目指すときは、さまざまなメリットがあります。しかし、デメリットがあることを忘れてはいけません。自分で勉強するからこその問題点は、しっかり抑えておきましょう。
予定通り進まない
独学で司法書士試験合格を目指すと、どうしても予定通り進みません。働いている方の場合は、残業や休日出勤、休みの日は急な予定が入るなど「今週末は勉強だ」と思っても難しいときはあります。不思議なことに予備校の場合は、予備校に授業を受けることを前提にしているため、予定通り進みます。
新着情報がわからない
独学で勉強する場合は、ほとんどの方がテキストメインのはずです。そのため、急な法改正などの新着情報に気づかないこともあります。テキストを購入するタイミングにもよりますが、つねに最新のテキストを購入し、インターネットなどを使って新しい情報がないかも確認しておきましょう。
理解するまで時間がかかる
独学の最大のデメリットは、理解するまでに時間がかかる点です。オンラインや通うタイプの予備校なら、その場でわからないことを聞けますが、独学は聞けません。分からないことがあれば、さまざまな手段を用いて自力で解決するのが独学です。
独学で司法書士試験対策を行う際に注意するべきポイント
独学で司法書士試験対策を行う際は、いくつかのポイントをしっかり抑えておきましょう。独学は、予備校と違ってすべてが自由です。自由だからこそ、テキスト選びや勉強時間の確保などの自己管理が大切になってきます。
テキスト選びと勉強時間の確保
独学の場合、テキスト選びと勉強時間の確保はとても重要なポイントです。テキストはなるべく最新のものを見つけ、自分に合ったものを選びましょう。最適なテキストが見つかったら、次は勉強時間の確保です。この時間は勉強と決めて、毎日のスケジュールに組み込んでおきましょう。
勉強時間は、長ければいいというものではありません。短い時間でも毎日続けていれば、いずれ司法書士に必要な知識は身に付きます。また、勉強が進みだしたら、どこかの段階で問題集などを行いましょう。とくに、司法書士試験の過去の問題集は非常に参考になります。
模擬試験の受験
今、自分がどの程度の実力なのかを確かめるために、模擬試験を受けましょう。模擬試験でも不合格だと不安になるという方もいるようですが、不合格になっても問題ありません。むしろ、自分の苦手分野などが見つかるため、今後の参考資料になります。
難易度の高い司法書士試験の対策は予備校で行うのがおすすめ
司法書士試験は、難易度の高い試験のひとつです。そのため、実際に合格する方のほとんどは、予備校に通っているといわれています。独学はスケジュール管理が難しいですし、すべてを自分一人で解決しなければいけません。解決までに時間がかかれば、勉強に対するモチベーション維持も難しくなってくるでしょう。しかし、予備校ならスケジュールは決まっているうえ、司法書士を専門とした講師が在籍しています。
また、すべての予備校が数十万円といった高額な講座とは限りません。なかには10万円以下の講座も存在するので探してみる価値はあります。いずれ合格すればいいなという程度なら独学でも問題ないと思いますが、期限を決めて合格を目指したい方は予備校がおすすめです。
まとめ
司法書士試験の合格は、独学でも充分目指せます。しかし、勉強を続けていくためには、デメリット部分の克服が必須です。一方、予備校は独学のデメリットをすべてカバーできます。費用面では、独学に比べて圧倒的に高くなりますが、その分計画通りに勉強が進むというメリットもでてきます。前述の通り、司法書士試験は難易度が高い試験ですから、予備校という選択肢も一度検討しましょう。