司法書士が独立開業するメリット・デメリットについて解説!
司法書士を目指す方の中には、独立開業を検討している方も多いのではないでしょうか。独立開業は、一般的な雇用とは違い、自分自身が経営のすべてに携わります。経営するのは大変と思うかもしれませんが、自由度が高いため、魅力を感じる方も多いでしょう。そこで司法書士の独立開業のメリットとデメリットを解説します。
司法書士が独立開業するメリット
司法書士の独立開業には、いくつかのメリットがあります。そもそも司法書士は通勤しなくても仕事ができる職業です。たとえば、街を歩いていると税理士事務所や弁護士事務所という看板が出ている個人宅を見かけませんか。司法書士は、税理士や弁護士と同じように自宅でも開業ができます。
独立開業しやすい
司法書士は、独立開業しやすい職業です。一般的に開業する際は、事務所を借りてさまざまな機器を揃えなくてはいけません。立地にもよりますが、都市部の場合は開業資金を用意してからになるでしょう。しかし、司法書士はあらためて事務所や機器を揃えなくても開業できます。
司法書士に最低限必要なものは、パソコンやプリンターなどです。パソコンなどを持っている方なら、インターネット環境も整っているのではないでしょうか。つまり、パソコンなどの機器があれば、自宅でも簡単に開業できるということです。
収入が多い
独立開業した司法書士は、企業に勤める一般的な社員などと比較すると高収入になる傾向があります。もちろん、営業しだいといった一面もあるため、すべての司法書士が高収入ではありませんが、年収600万円を超えるケースも珍しくはありません。
時間が有効に使える
もし、自宅にて司法書士事務所を開業した場合は、時間が有効に使えます。本来、通勤に費やす時間を、家族と過ごす、趣味を楽しむといった使い方が可能です。また、家事や育児との両立も可能、とくに忙しい状況でなければ自分のペースで仕事ができます。
雇われているよりもはるかに自由という点は、独立開業のメリットです。
自宅の場合は費用がかからない
自宅の場合は、通勤よりも費用がかかりません。前述した事務所の家賃はもちろんですが、ガソリン代や電車賃、さらにはお弁当代や飲み物代も必要ないでしょう。もちろん、自宅でも食事代はかかりますが、外食費用と比べればかなり安くなるはずです。ただし、独立開業の場合は、さまざまな経費がかかります。水道光熱費はもちろんですが、営業で車を使う場合は、ガソリン代を含む維持費が必要です。
司法書士が独立開業するデメリット
司法書士の独立開業には、デメリットも存在します。一見、気楽に感じる独立開業ですが、難しさもあるので要注意です。
自宅という難しさ
自宅で開業した場合は、デメリットになることもあります。たとえば、仕事とプライベートをしっかり分けられない方です。このような方の場合は、なにを第一に考えるべきかという判断を間違える可能性があります。自宅だからといって休憩が長くなる、休日なのに仕事をするといったことが始まると、仕事とプライベートのどちらにも影響が出るかもしれません。もし、仕事とプライベートの区別がつかない場合は、自宅という難しさに直面するでしょう。
経営失敗
司法書士の独立開業は、失敗する可能性もあります。とくに自宅での開業は、費用もかからず簡単です。しかし、開業後が順調に進む保証はありません。仮に安い費用で開業できたとしても、お客さんがいなければ収支のバランスは崩れます。開業後、ずっとお客さんが来なければ赤字が続き、最終的には経営失敗となるので要注意です。
信用獲得と集客が難しい
司法書士の独立開業は、信用獲得と集客が難しいという点がデメリットです。とくに自宅で開業した場合は、外部の方が感じるイメージで今後が大きく左右します。たとえば、事務所を構える余裕がないのかと思う方もいるでしょう。また、自宅が住宅地内や、都市部から少し離れたところにある場合は、集客面で不利になるかもしれません。ここで必要になるのが営業力です。自宅だからといって待っているだけでなく、自ら積極的に営業をしましょう。
司法書士が独立開業するまでの流れ
最後に司法書士が独立開業するまでの流れを解説します。司法書士は、資格さえ持っていればいつでも開業できますが、開業までの準備はとても重要です。
理念と社是を考える
どのような司法書士事務所にしたいのかを具体的に考えます。考えた内容は、事務所の理念とし、さらに分かりやすい社是を掲げましょう。理念や社是は、司法書士事務所に限らず、経営する上で非常に重要です。
拠点の選定
理念と社是が完成したら、次は事務所の選定です。事務所を借りてもいいですし、自宅を事務所としても問題ありません。ただし、立地は今後の経営に大きく影響します。事務所を選定する際は、人通りのありそうな場所がベストです。
事務所内を整える
事務所を決めたあとは、事務所内を整えます。パソコン、プリンター、インターネット環境などの機器はもちろんですが、応接関連の備品、名刺、文房具なども準備が必要です。また、集客力を上げるために、公式サイト作成も検討しましょう。
まとめ
司法書士は、ほかの職業に比べると簡単に独立開業できます。ほとんどの方が独立開業と聞くと、いいところばかり想像するかもしれません。もちろん、いいところもたくさんありますが、独立だからこそ、経営失敗といったデメリットも存在します。大切なのは、開業に向けた強い想いとメリットやデメリットの正確な把握です。すべての要素を総合的に判断した上で独立開業を検討しましょう。