働きながら司法書士資格取得を目指すメリット・デメリットとは?
司法書士の資格は数ある国家資格の中でも難易度が非常に高い資格です。しかし、社会人として働きながら司法書士の試験に合格している人もいます。本記事では、働きながら司法書士資格取得を目指すメリットとデメリット、司法書士の資格取得を目指す際の注意点について紹介します。
働きながら司法書士資格取得を目指すメリット・デメリット
働きながら司法書士の資格を目指すメリットとして、社会人経験を生かせるということが挙げられます。
司法書士は資格取得後すぐに実務を行うことができます。しかし、実務では即戦力を求められるケースも多く、ビジネスマナーやスキルを覚える期間が少ない傾向にあります。そのため、働きながら資格を取得することでこれまでの社会人経験を生かしながら、司法書士として活躍していくことが可能です。
また、現職や日常生活で学習した知識を役立てることができることもメリットの一つです。司法書士の勉強をすることで、身近な法律についての知識が身に付きます。そして、資格の勉強で得た知識を現職や日常生活のなかで生かせる場合があります。
その他、働きながら司法書士の資格を目指すことで精神的な余裕が持てることも大きなメリットであると考えられます。司法書士の資格を取得するには、受験費用やテキストを購入する費用など、資格取得にも費用がかかります。また、もし試験に失敗しても無職になることはないため、精神的に余裕を持ちながら試験に望むことができます。
一方、働きながら司法試験の合格を目指すことのデメリットは、学習時間が少ないということが挙げられます。働きながら資格の取得を目指すということは、勉強可能な時間は休日や仕事から帰宅した後などになるため、どうしても学習時間が限られます。
個人差がありますが、一般的に司法試験に合格するために必要な学習時間は3,000時間といわれています。限られた時間の中で学習していかなければならないため、合格までに時間がかかる傾向にあることがデメリットであるといえます。
働きながら司法書士資格取得を目指すためには?
司法書士とは仕事を通じて人々の財産・権利などを守り、暮らしに関する「法的問題を解決する」仕事です。主な業務としては、依頼を受けて法務局・裁判所・検察庁などへの提出書類を作成することが挙げられます。それに加えて、他人の代理として登記手続きを行うなど、法律に関連した業務がメインです。
司法書士になるためには、法務省が1年に1度実施する司法書士試験を受験し、合格する必要があります。そして、司法書士の試験には受験資格がないため、年齢・性別・国籍・学歴などに関係なく受験できます。
司法書士試験を受験するには、例年4月ごろから配布される受験申込書に必要事項を記入し、受験料として8,000円分(非課税)の印紙と自分の顔写真を貼り付けて応募します。出願期間は5月、筆記試験は例年7月に行われています。
そして、筆記試験に合格した人だけが10月に行われる口述試験の受験資格を得ることができます。司法試験の資格は国家資格の中でも非常に難しく、社会人として働きながら資格を取得するには効率よく勉強を行う必要があります。
しかし、令和元年度における司法書士試験の合格者の平均年齢は40.08歳で、全体の7割を30~40代が占めています。つまり、受験者の多くは働きながら司法書士の試験を受験していると考えられます。
たとえば、会社員として働きながら1度目の試験で合格した人もいます。働きながら、勉強時間をしっかりと確保し、日々の生活の中でどのように勉強時間を捻出するのかを考えた上で勉強を行い合格しています。
具体的な勉強方法は、基礎知識は通信講座の講義を利用してインプットを行い、ある程度の範囲の学習が終わるまでは講義内容の復習を徹底的にいます。そして、講義でひと通りの内容を学び終えたら、過去問を解いていきます。このように社会人でも司法書士の資格の合格を目指すことが可能であるといえます。
働きながら司法書士資格取得を目指す際の注意点
働きながら司法書士資格取得を目指す際の注意点として、強い動機を持つことが大切です。司法書士試験の試験範囲は広く、時間をかけて勉強を行わなければなりません。何となく試験勉強を始めてしまうと途中で挫折してしまうことが考えられます。
さらに、働きながらの場合は仕事で疲れている中で勉強を続けていくため、強い動機を持ちながら試験勉強を行うことをおすすめします。
また、ストレス解消法を見つけておくことも重要なポイントです。働きながら司法試験の合格を目指す場合、長期間学習を続けるケースが一般的です。そのため、ストレスが溜まってしまうことが想定されます。
ストレスが溜まって学習に集中できないという事態を避けるために、適度に息抜きをする方法を見つけておくことが重要です。
司法試験は非常に人気の資格ですが、合格には多くの学習時間が必要です。とくに働きながら合格を目指す場合は、かなりの忍耐力が必要となります。しかし、社会人経験を活かすことができ、金銭的に安定しているため精神的に安定して試験に臨むことができるなどのメリットがあります。
また、働きながら合格を目指す場合は、強い動機を持ち、ストレス解消法を見つけておくことをおすすめします。