司法書士はフリーランスとして働けるのか
企業に所属して司法書士として勤務する方法だけではなく、フリーランスとして働く方法もあります。司法書士の業務に加えて経営者の業務も行う必要があるので、慣れないうちは苦労することもあるでしょう。フリーランスになりたい人や興味がある人は、今回の記事を参考にしてください。
フリーランスの働き方
日本でもフリーランスとして働く人が増えています。フリーランスの定義やメリット、デメリットなどについて見ていきましょう。
フリーランスとは
会社員やパートなどのように特定の企業に所属せずに、自分の能力を提供することで報酬を得ている人たちを指します。日本でもフリーランスによる働き方が人気を集めています。
また、本業は会社員で副業はフリーランスとして活動している人もいます。単発で仕事を請け負う人もいますが、継続して仕事を請け負う契約を締結する人もいるなど、自由な働き方が人気の秘密となっています。
メリット
会社員とは異なり、売上のすべてが自分の収入となるので利益を出しやすいのがメリットです。仕事の能力が向上すれば報酬アップの交渉もできるでしょう。また、レベルの高い仕事を提供すると、次回も同様の案件を依頼されることもあります。自分の好きな仕事を好きなだけ受注できるので、ライフワークバランスを充実させたい人にもおすすめです。
デメリット
収入が安定しないので、毎月安定した収入を求めている人には向いていない可能性があります。また、業務以外にも請求書の作成や確定申告の準備などを行わなくてはいけません。スケジュール管理、電話応対、清掃などの業務は従業員を雇用することもできますが、そのぶん人件費がかさむので、多くの人は自分ですべて行っています。
フリーランスになる方法
能力に自信が無い人がフリーランスになるのは難しいでしょう。自分の能力を活かして顧客に価値を提供するからです。まずはフリーランスになる前に企業などで仕事のスキルを高めてから、フリーランスとして独立する人が多いのはそのためです。また、企業に勤めなくても、スクールなどで技術力を高めてからクラウドソーシングなどで仕事を受注する人もいます。まずは稼ぐための能力を身に付けましょう。
基本的なビジネススキルは必要
仕事を受注するためには、ある程度のコミュニケーションスキルは必要です。会社員であれば、これまでの取引実績や会社のネームバリューで仕事が舞い込んでくることがあります。しかし、フリーランスは自分で仕事を獲得しなければいけません。そのために企業にメッセージやメールを送りますが、基本的なビジネススキルが欠如していると仕事を受注するのは難しいでしょう。
司法書士がフリーランスとして働くには
会社員とは異なり、すべて自分の責任になります。そのため、辛く感じることもあるでしょう。しかし、仕事を受注できたときの喜びは何物にも代えがたいものがあります。
すべて自分でやることになる
司法書士の業務だけではなく、備品の調達や経理などの売上に直接影響を及ぼさない業務にも取りかからなければいけません。業務量が少ない初期の頃は、そのような時間を確保することも可能ですが、業務量が多くなるとそのような時間を確保するのも難しくなります。外注や従業員を雇用するなどして対応している司法書士もいます。
経費は自己負担
コピー用紙やプリンターのインク代などの事務用品は自己負担です。それだけではなく、国民健康保険も自己負担で収入が増加すると負担額が増します。会社員は会社が半額負担してくれますが、フリーランスではそのようなことがありません。
固定給はない
最初の頃は売上が少ないことに加え、将来に対する不安から寂しい思いをすることもあるでしょう。しかし、売上が順調に伸びれば仕事を楽しく感じるようになります。固定給ではありませんが、売上から経費を差し引いた金額がすべて自分の収入になるのがフリーランスの魅力です。
フリーランスで活動する司法書士の職務内容
一般的な司法書士の業務に加えて、経営者としての業務も行います。
不動産登記と法人登記
こちらの2点は主力業務となっています。新たに法人を設立する人や、個人事業主から法人を設立する人のサポートを行います。繁忙期はほかの業務に手が回らないこともあるでしょう。そのほかの職務内容として、成年後見、相続、遺言などがあります。
経営者としての業務も行う
仕事を受注するところから業務が始まります。売上目標に到達するために業務量を調整することも行います。企業に所属している司法書士と比較すると数字にシビアになれるでしょう。
まとめ
これまで企業で司法書士として勤務していた人や、試験に合格した後にフリーランスとしてスタートしたいと考えている人にとって、大変な部分はありますが、やりがいのある働き方に見えるでしょう。たとえば、これまで通勤で片道1時間も満員電車に揺られていた人は在宅勤務になれば、往復で1日2時間も自由時間が生まれます。もちろん、その時間を活用して業務を行うことも可能です。仕事を受注するために、余暇時間を活用して自分のレベルアップを図ることもできます。自分らしく働きたい人は挑戦してみましょう。